様々な野菜や果樹などの有機栽培に使用できるチョウや蛾の幼虫の殺虫剤BT剤とは

野菜や果物(フルーツ)などの生鮮食品については,ほとんど毎日,食べるものですので,

無農薬,かつ新鮮できれいなものを,自ら収穫したいという方も大勢いらっしゃると思います。

しかし,畑の作物は,どうしても害虫にやられてしまうものです。

防虫ネットで作物を保護をしていても,いつの間にか,中にアオムシがいたということもあります。

庭木に毒のあるケムシやイラガがたくさんいるのに,

小さい子どもがいて農薬は危険なので使えないということもあるでしょう。

そういう時に,BT剤という有機農作物の栽培に使える微生物殺虫剤で,多くの種類が市販されています。

今回,BT剤とはどのようなもので,本当に安全なのかなどについて解説し,

用途に応じたいくつかの商品もいっしょに紹介しています。


目次

1.BT剤の概要

2.他の虫の幼虫に効果は?

3.BT剤の安全性

4.BT剤の種類

・・・野菜果樹カンキツリンゴ花卉観葉植物樹木

 

 

 

 

BT剤(微生物殺虫剤)とは

 

BT剤の概要

野菜類に対して広く適用のある農薬としてBT剤があります。

この農薬は,Bacillus thuringiensis(英音読み:ボァシラス・チュァリンジェンシス)という細菌,

頭文字をとって,BT菌と呼ばれ,その中で殺虫性を有する菌株を使用した数十年前からある生物農薬です。

有機農作物の栽培に使用できます。

BT菌が胞子形成時に生成する結晶性タンパク質を,チョウや蛾の幼虫が経口摂取することで,

それが幼虫の腸内のアルカリ(pH11~12)で分解されて,δ-エンドトキシンと呼ばれる細胞毒素に変化し,

その毒素が腸の上皮細胞膜と結合し,陽イオンチャネルを形成して細胞溶解を引き起こすことで

幼虫を死に至らしめます。

 

明治時代の後期にカイコの卒倒病(そっとうびょう)の病原として日本人によって最初に発見された細菌です。

BT剤は,チョウや蛾の幼虫,すなわちイモムシや毛虫に対して効果があり,

色々な作物や樹木に散布して使えます。

 

使用回数に制限がなく,一部を除くたいていの作物で収穫前日まで使用できます。

色々な菌株を利用した農薬がありますが,発生初期に使用するよう記載されているものもあります。

薬剤抵抗性をもつ個体が現れることもありますので,

他の化学農薬も組み合わせて計画的に農薬散布を行うことが適切です。

 

 

他の虫の幼虫にも効果はあるのか

BT剤は,樹木や葉の内部組織に侵入する蛾の幼虫など,植物の内部組織を食害するものに対しては

記載がありません。

 

また,チョウや蛾よりも比較的弱いアルカリ性の腸内環境をもつコウチュウやハエの幼虫にも殺虫効果を示す菌株

も存在するようですが,それに対する殺虫性が,市販されている農薬の各菌株の中にあるとは限りません。

 

使用できる作物や適用害虫は,毒性試験などを経て厳格に定められていると考えられますので,

卵が孵化して幼虫が葉枝や葉の内部に侵入する前の発生初期に,各農薬の説明書に記載の範囲内において

散布できないこともないと考えられますが,保証はできないでしょう。

 

 

BT剤の安全性

今や世界中で使用されているこのBT菌ですが,人体に対して無害で安全だといわれていて,

国産,外国産を問わず,大豆などの豆類,茶,トウモロコシなど多様な作物に使用されています。

 

今後,国内でもBT剤の普及が進んでいくと,

BT菌由来のタンパク質が混入し得る加工品,例えば,スナック菓子,納豆,豆腐,餡子など,

の製造工程,調理過程などで,BT菌由来タンパク質がアルカリ性の物質と反応することで,

毒素化する場合も有り得ると思いますが,ヒトへの影響は低濃度で無視できるレベルでしょう。

 

納豆菌など腸内で弱アルカリ性の環境(pH7~8)をつくり出し得る菌類を含む食物を摂取した場合については,

チョウや蛾よりもpHのやや低い腸内環境をもつ甲虫の幼虫に対しては殺虫効果がないBT菌が存在するように,

強アルカリ性の腸内環境が存在しなければ,BT菌由来タンパク質が,毒素化することもほとんどないでしょう。

むしろ,納豆菌は,腸内のpHを中性付近に調節して安全な腸内環境をつくりあげてくれると考えられます。

 

BT菌由来タンパク質がアレルゲンとなる可能性については,不明な点が多く,

農作物の消費者,生産者の立場として気になる点になります。

生鮮食品において,自宅で皮を剝いて調理,摂取するものであれば何ら問題ないと思われますが,

各自で散布した葉物野菜などの作物に関しては,

よく洗ってから食べるよう気をつけたほうが良いのかもしれません。

 

 

BT剤の種類

BT菌を利用した農薬は多くの種類があり,

各農薬によって,菌株の種類(亜種)や菌由来のタンパク質の構造が各々異なるなどの事情があり,

適用害虫や使用できる作物に違いがあります。

以下,主なBT剤を挙げます。

 

野菜

野菜類 (アオムシ,コナガ,ヨトウムシ,ハスモンヨトウ,オオタバコガ,シロイチモジヨトウ)

・・・ゼンターリ顆粒水和剤ホクコー ゼンターリ顆粒水和剤STゼンターリ顆粒水和剤

野菜類 (アオムシ,コナガ,ヨトウムシ,ハスモンヨトウ,タマナギンウワバ)・・・バシレックス水和剤

キャベツ(ヨトウムシ,ハスモンヨトウ)

・・・ゼンターリ顆粒水和剤チューレックス顆粒水和剤ジャックポット顆粒水和剤など

ハクサイ (アオムシ,コナガ,ヨトウムシ)・・・ゼンターリ顆粒水和剤,サブリナ フロアブル

 

 

 ゼンターリ顆粒水和剤
 (有機農作物の栽培に)
楽天市場で最適なものを探す
Amazonで最適なものを探す

 

 

 

 

果樹

果樹類(ハマキムシ類,ケムシ類,シャクトリムシ類)・・・バイオマックスDF

果樹類(ハマキムシ類,ケムシ類)・・・ファイブスター顆粒水和剤

果樹類(ハマキムシ類)

・・・ゼンターリ顆粒水和剤ホクコー ゼンターリ顆粒水和剤STゼンターリ顆粒水和クオーク フロアブル,

トアロー水和剤CT

 

 

 バイオマックスDF
 (有機農作物の栽培に)
楽天市場では現在取り扱いなし
Amazonで最適なものを探す

 

 

 

 

柑橘類(温州ミカンなど)

カンキツ類(アゲハ)・・・デルフィン顆粒水和剤,ファイブスター顆粒水和剤,チューンアップ顆粒水和剤

 

 

林檎

リンゴハマキムシ類,ヒメシロモンドクガ,アメリカシロヒトリ)

・・・バシレックス水和剤家庭園芸用バシレックス水和剤チューリサイド水和剤

 リンゴハマキムシ,ケムシ類,シャクトリムシ類)

・・・デルフィン顆粒水和剤バイオマックスDFファイブスター顆粒水和剤,エスマルクDF

 

ニホンナシハマキムシ類)・・・チューレックス顆粒水和剤ジャックポット顆粒水和剤

・ ナシ(ケムシ類)・・・デルフィン顆粒水和剤,ファイブスター顆粒水和剤

 

 

 デルフィン顆粒水和剤
 (有機農作物の栽培に)
楽天市場で最適なものを探す
Amazonで最適なものを探す

 

 

 

 

カキ(カキノヘタムシガ,イラガ)

・・・バシレックス水和剤家庭園芸用バシレックス水和剤チューリサイド水和剤

カキの葉(ハマキムシ)・・・エスマルクDF

 

 

 バシレックス水和剤
 (有機農作物の栽培に)
楽天市場で最適なものを探す
Amazonでは現在取り扱いなし

 

 

花卉類

花卉類(オオタバコガ,コナガ)・・・エスマルクDF

キク(ハスモンヨトウ)・・・ゼンターリ顆粒水和剤

キク(オオタバコガ)・・・デルフィン顆粒水和剤

カーネーション(ハスモンヨトウ)・・・ゼンターリ顆粒水和剤

ストック(コナガ)・・・ゼンターリ顆粒水和剤バシレックス水和剤トアロー水和剤CT,

チューリサイド水和剤

ツバキ(アメリカシロヒトリ,チャドクガ,イラガ)・・・トアロー水和剤CT

ツツジ(ベニモンアオリンガ)・・・チューリサイド水和剤

 

観葉植物

観葉植物(オオタバコガ,コナガ)・・・エスマルクDF

フェニックス・ロベレニー(トビモンオオエダシャク)・・・バシレックス水和剤

 

樹木

樹木類(ケムシ類,シャクトリムシ類)・・・バイオマックスDFエスマルクDF

樹木類(ケムシ類)・・・ゼンターリ顆粒水和剤

2018/10/12

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

//s3.tracemyip.org/tracker/lgUrl.php?stlVar2=1204&rgtype=4684NR-IPIB&pidnVar2=46624&prtVar2=5&scvVar2=12