イノシシによる桃の果実の食害と伴なわれる樹幹の被害
近年,イノシシ(猪)による農業被害が多発しています。
植え付けたばかりの白桃の木の枝をズタズタに折って樹皮を剥いだり,
植え付けて3年経過してやっと生った,まだ青い桃の実を盗み食いするなど,
イノシシによる被害は絶えません。
今回,その被害状況とその対策に関する今後の計画について綴ってみました。
白桃のイノシシによる被害状況
白桃の苗木を植えたのは,3年前のことです。
最初の年は,簡単な竹垣で囲っていたのですが,
イノシシが中に入って,実も生っていない桃の木の新しい枝を,すべて折ってしまって,
樹皮も,牙(キバ)を使ってのことか,ズタズタに切り裂かれ剥がされていました。
その時は,足跡とその強引さでイノシシの犯行とわかりましたが,
被害を受けた原因が,ただ闇雲に?,何かの腹癒せ?
なぜなのかわかりませんでした。
そして,3年後の今年,枝も充実してきて,やっと実が生り始めました。
生理落果しないようでしたので,桃用の袋を購入して袋かけもしていました。
桃の実も径が5㎝くらに大きくなった頃のことです。
園地の柵を突破して侵入してきたイノシシは,
桃の実を取ろうと,太い枝を無残にもその根元からバキッと折ってしまい,
高くて届かない所に生っている実まで食べたかったのか,
木の根元がグラグラになるくらいに押し倒したような形跡がありました。
生っていた実(摘果して厳選した4個)は,すべてむさぼって帰っていました。
1年目と同じく樹皮も,ズタズタに切り裂かれ,剥がされていました。
このような惨状です。
白桃と近縁のアーモンドも植えているのですが,ほとんど無関心のようです。
イノシシは,栗の実と同じく,モモの実が大好物だということがわかりました。
そうでなければ,樹皮をわが物のようにわざわざ剥がすようなことはしないと思います。
剥がしてまで食べたい!
と思ったのでしょうか。
完全に折れた枝は,取り除きましたが,
曲がって内部に長さ8㎝くらいの開口した亀裂の入った太い枝が1本だけ残っていたので,
夏場の勢いの良い時に丸裸にしてしまうのも,もったいないですので,
斜めに倒れた主幹を起こし,主枝とともに竹の棒で開口亀裂が元に戻るよう固定し,
カルスメイトを傷口に塗布し,接ぎ木用テープをぐるぐる巻きにして手当しました。
亀裂が活着したようであれば剥がす予定です。
このあと,
これ以上,樹皮を剥がされないように,
主幹に新聞紙を巻いていたのですが,
実はもう生っていないにもかかわらず,
その後,イノシシがまたやって来て新聞紙を縦に20㎝くらい切り裂き,
樹皮を剥がした形跡がありました。
味を占めると何度でもくるという習性があるようです。
今回,栗の実と同様に,イノシシによる桃の被害は甚大とみて,
木の周りにフェンスの設置を検討してみました。
ポリエチレン製ネット柵の場合,
学習すれば,いとも簡単に鼻先でさっと網を押し上げてくぐって入ってくるようになります。
固定していても,すぐにボロボロに食いちぎられて突破されてしまうことがわかっています。
ですので,
桃の実が目の前にあれば,イノシシは力づくで入ってくることは間違いないと思います。
ホームセンターで,もっと頑丈な柵がないか探してみると,
高さ1.2m,長さ20mの防獣フェンスがありました。
しかし,
イノシシは,高さ1.2m以上の柵を簡単に飛び越しているところを目撃したことがあります。
おいしい食べものが目の前にあれば,飛び越えることなど苦にもならないでしょう。
最低でも高さが1.5mは必要だと思います。
助走をつければ1.5mでも飛び越える大イノシシもいますので,
1.5m柵の20~30㎝ほど上に有刺鉄線か針金などを張っておけば,万全だと思います。
1つ問題なのが,
イノシシは穴掘りが得意なので,フェンスを固定する杭を地面に深く打ち込んでいなければ,
掘り返して杭を倒してしまうほどの力がありますので,深さ30㎝以上は打ち込んでおく必要があります。
2018/07/07
コメントを残す