梅の収穫と梅雨入り・・・栗の花と枇杷,つゆの語源は?
6月,初夏のはじまり,衣替えの時期です。
今年も梅雨入りして梅やビワの収穫がはじまりました。
今回は梅雨の語源や梅雨前線が形成される原因などについてつづってみました。
![ウメの収穫](https://i2.wp.com/fujigasako.com/wp-content/uploads/2018/06/nanko-ume_japanese_apricot-500x344.jpg?resize=500%2C344)
梅雨の語源は?
梅雨に入る頃は,ちょうど梅の収穫時期になります。
これが梅雨といわれるようになった理由です。
収穫時期といっても,暖地,中間地,冷涼地で多少は変わってくると思いますが,
面白いことに,梅雨前線が沖縄から北へ向かって北上するため,
日にちがずれていても,梅雨の到来と梅の収穫時期は変わらないのでしょう。
暖地と冷涼地の中間あたりでは,青梅の収穫ですね。
暖地,中間地,冷涼地の区分がわからないという方もいらっしゃると思いますので,
簡単に触れておきたいと思います。
これらは,市販の野菜や花の種のパッケージなどに区分図が書かれていることがありますが,
おおよそ,
冷涼地は,北海道,東北地方のほか,中部,近畿,中国,四国,九州地方の標高の高い地域,
以下,上記の標高の高いエリアを除く地域になりますが,
暖地は,九州,四国地方,
中間地は,中国,近畿,中部,関東地方の平野部になります。
実がまだ緑色の硬い青梅は,梅酒や梅酢などに使えます。
梅干しをつくるのに適しているのは完熟梅で,
自然に落果するくらいまで,もう少し木に生らせておく必要があります。
ジャムにするのもいいですね。
収穫が終わるとすぐに,枝の上面に縦に伸びた枝や込み合った枝,
古い細枝などを剪定しますので,すでに終わらせたところです。
どうして梅雨を“つゆ”と読むのか
![クリの花](https://i1.wp.com/fujigasako.com/wp-content/uploads/2018/06/ume-flower-500x373.jpg?resize=500%2C373)
今年の梅雨入りは,西日本では6月5日,東日本では6月6日,東北はまだです。
6月5日になり,クリ のおしべ(花)が落下しはじめました。
栗のおしべが落下するのを古い言葉で墜栗花 (ついり)といいます。
それがちょうど梅雨入りの頃なので,
一説にはつゆの語源ともいわれています。
![墜栗花](https://i0.wp.com/fujigasako.com/wp-content/uploads/2018/06/fall_of_ume_flowers-500x351.jpg?resize=500%2C351)
今年は5月には,早くも梅雨入りかと惑わすような報道がありましたが,
ことしも昨年と変わらず,
ついりの時期と梅が熟しはじめた頃が梅雨入りとなりました。
今年は例年よりも気温が低い日が続き,2月に梅の花が咲く時期も遅れました。
そのため,収穫時期もずれるかと心配していましたが,
気温が高くなるのが早かったためか,そうでもありませんでした。
今後,温暖化の影響で,季節の移り変わりの時期も変わってくるのでしょうか。
そうなるのも寂しいものです。
近年,気候の変化,とくに気温の上がり下がりが極端になってきたのでしょうか。
この極端さというのが,地球規模の大気循環のバランスが変化してきている兆候だと思います。
そのうち四季もなくなってしまうということを意味しています。
1時間に何百ミリという降水量も,何十年に1回という記録が更新されつづけています。
今年も,線状降水帯の形成に起因する集中豪雨や台風の勢力の拡大など
予測もつかない災害が起こり得ることが懸念されます。
地震や火山噴火もそうですが,
起こらないようお祈りするのもよいですが,
どう対処していくかを考えておかなければいけません。
梅雨という時期はなぜ存在するのか
梅雨の時期に,ちょうどオホーツク海気団(オホーツク海高気圧)というのができて,
日本列島の北東側から冷たく湿った風が吹き出すようになります。
また,日本列島の南側で夏場に活動する小笠原気団(太平洋高気圧)が暖かく湿った風を吹き出しはじめます。
これら2種類の性質の違った風がぶつかってとどうなるかわかりますね。
大気の状態が不安定になって,どんよりした天気が続くことになります。
オホーツク海気団と小笠原気団の間にできる前線が,停滞前線(梅雨前線)と呼ばれています。
教科書的には,低温多湿の風の上に高温多湿の風がせり上がりそうに思えますが,
実際は,南北の両方の気団は,気温差があまりないため,そうはならないようです。
どちらかの気団の勢力が強くなって均衡が崩れると,温暖前線ができたり寒冷前線ができることもあります。
テレビのニュースなどで天気図を見ていると,停滞前線の南側 300 ㎞の範囲が雲に覆われて
雨が降りやすくなっているようですね。
枇杷の収穫
6月に入るとビワの実が熟し,ビワの収穫もはじまります。
ビワは,ちょうど梅雨の時分,七夕ころまでの季語とされています。
![枇杷(Loquaat)の収穫](https://i0.wp.com/fujigasako.com/wp-content/uploads/2018/06/biwa_loquat-500x367.jpg?resize=500%2C367)
ちょうど暑さが気になりはじめた時分でもありますので,
ビワの実は,水分が多く甘いので,作業中の水分補給によいです。
つゆがしたたるような感じで,甘露といってもいいくらいです。
梅雨の語源はここにも感じることができます。
2018/06/06
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