イラガやドクガ(毒蛾)などの毒毛虫にかぶれた時の対処方法と,毛虫の駆除に使用できる農薬

9月上旬,秋になり庭の柿やツバキの葉に,毎年恒例のように毒毛をもったイラガやドクガの幼虫

がびっしりと繁殖しています。

植木の剪定や草取りの際などに毒毛虫に触れる機会の多い方もいらっしゃると思います。

チャドクガの場合,毛虫の毒針毛が肌に刺さると,1ヶ月以上毒が消失せず,痒いとかいてしまい,

かいたところに水疱,水膨れなどの症状が出てなかなか治らず,掻きむしると急速に悪化していきます。

今回は,この厄介な毒毛虫にやられた時の対処方法と,果樹にも使用でき,毛虫を退治する農薬を

紹介したいと思います。

 

写真_昆虫
柿の葉を食害するイラガの幼虫(9/6)

 

 

 

イラガ

 

イラガは,1種ではなく15種類くらいいます。

柿やブルーベリーなどの果樹のほか,ブナ科やバラ科,ヤナギ科,ツバキ科など様々な樹木の葉につきます。

危険な種類は,イラガアオイラガヒロヘリアオイラガクロシタアオイラガヒメクロイラガなどで,

初夏から秋にかけて2回発生します。

次の写真は,柿の葉についたヒメクロイラガの幼虫です。

 

写真_昆虫
柿の葉についていたヒメクロイラガの幼虫(9/6)

 

 

イラガに刺されたときの対処方法

 

イラガの毒棘(どくきょく)に触れると,その周辺の神経にそってピリピリと電気が走ったような傷み

走ります。

肌に毒棘が刺さっていれば,ピンセットなどで取り除いた後,すぐに水で洗い流し,

ドラッグストアなどに置いてある無水エタノールでよく消毒するなど,適切な処置をすると,

症状は軽くてすむことがあります。(危険なメタノールが主成分の燃料用アルコールを使用しないでください)

かゆみがある場合などは,ダイアフラジンEX軟膏などの抗ヒスタミン剤を塗っておくと良いでしょう。

アロエの葉があれば,火傷をしたときのように葉を折り取って汁を塗ると効果がある場合もあるようです。

 

 

 

チャドクガ

 

9月10月もしくは4~5月あたりのやや涼しい時期に2回ほど,下のような毛虫が,ツバキサザンカ

チャノキなど,ツバキ科の植物の葉に群がって発生します。

毒毛虫を避けて庭木の剪定作業をする場合は,秋~春(11~3月)や,夏(6月)の間が最も適期

と思われます。

 

写真_昆虫
ツバキの葉に群がるチャドクガの幼虫(9/6)

 

 

チャドクガに触れたときの対処方法

 

痒(かゆ)みを放っておいても治らないということはないのですが,中には重症化する方もいらっしゃる

ようです。

チャドクガの幼虫に触れた場合は,毒針毛(どくしんもう)が刺さっている可能性が高いので,

それ以上深く,毛が刺さらないよう,そっとしておき,流水で長時間洗い流します

痒みは,時間をおいて次第に症状が現れます。

痒いからといってかきむしっていると,余計に痒い箇所が広がっていきます。

毛虫の種類を特定できない場合は,他の毛虫の毒の可能性もあり,ここで紹介する方法では効果がない

ということも考えられます。

 

1度チャドクガの毒針毛に触れたことがあるなど,アレルギーのある方,体調の悪くなった方,

傷跡を残したくないという方などは,病院を受診して適切な処置してもらうことが必要です。

 

以下,症状が悪化しても多少は我慢できるという方の場合の対処法です。

毛虫に触れてから間もない場合に対処できれば症状が悪化しないことがあります。

まず,ガムテープなどを使い,毒針毛が触れてしまった箇所に,ガムテープを1回ずつ必ず取り替えながら

そっとあてて,毒針毛をすべて取り除き,毒針毛が飛び散っている可能性もありますので,

脱衣してから考えられる場所すべて流水で長時間洗い流します。

 

チャドクガの毒は,50℃以上の温度の熱に弱いため,沸かしたお湯をタライなどの中に入れて温度が,

60℃くらいになるよう水で薄め,火傷(やけど)をしないように,かぶれた箇所をお湯につけるか,

つけられない場所は,火傷をしないように,60℃くらいのお湯につけたタオルをしぼって,

かぶれた箇所にあててみるというのも良いでしょう。

注意点は,60℃のお湯でも,大人で10秒以上触れると火傷をするといわれますので,

皮膚の薄い子どもの場合は,気をつけてあげましょう。

風呂などの42℃程度のお湯では,一時的にかゆみは消えますが,悪化します。

無水エタノール処理は,水疱,水膨れの程度まで悪化した後の消毒には良いですが,効果がありません。

着ていた服も,カーペット用の粘着テープ(コロコロ)などをつかってきれいに取り除いておかないと,

また,新たに毒針毛にかぶれていって症状が長引く可能性もあります。

 

肌がただれるなど,症状がひどくならないうちであれば,軟膏を塗っておくとより良いです。

ステロイド剤では,ムヒアルファEX(クリーム),

抗ヒスタミン剤では,ダイアフラジンEX軟膏などがあります。

使用上の注意をよく読んでご使用ください。

ステロイド剤は,とくに顔などの皮膚の弱い部分に広範囲に塗るなどすると,副作用の危険があり,

毛深くなることもあるようですので,塗りすぎには注意が必要です。

その中でも,ムヒアルファEXに含まれるステロイド成分は,PVAといって副作用を起こしにくい特性

をもっているようです。

 

 

 

 

毒をもつ蛾の幼虫の防除および駆除方法

 

防除

果樹ではないツバキなどの花や観葉目的の植木であれば,オルトラン粒剤を,

毛虫がつきそうな木の株元に,1平方メートル当たり6gほどを散布しておけば,早期に防除可能です。

注意すべき点は,使用回数が5回までということと,土が乾燥している場合は効き目がないですので,

時々灌水することが必要です。

近くに山菜などがある場合は,農薬の説明書をよく読んで,1回散布程度に控えたほうが良いでしょう。

 

駆除

果樹ではない植木で,とくに気にされない方であれば,ゴキブリ用などのピレスロイド系の家庭用殺虫剤

でも良いですが,対象木付近の地面に,フキ,ツワブキ,ミョウガ,ニラ,パセリ,ミツバ,サンショウなど

食べられる山菜や野菜などを植えている場合は,庭木であっても使用すべきではありません。

 

そういった場合は,毛虫のついている枝ごと切り取って,ムカデのように熱湯をかければ駆除できると同時に

チャドクガの毒も消失しますので,ガーデニング(土いじりや草取り)をしてもより安心です。

 

チャドクガ幼虫にスプレーをすると,ポタポタと落ちてきて地面に分散してしまい,

毒針毛の被害が出るといったこともあります。

それを防ぐために,次のようなエアゾールタイプの固着剤もあり,群がった毛虫を葉面に固定して,

固着したあとで,高枝切りバサミなどを使って取り除く(ごみ袋へ)ことも可能です。

 

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意外な落とし穴

ホームセンターでよく見かける「ケムシエアゾール」や「ベニカJスプレー」は,

クロチアニジン・フェンプロパトリンを主成分とし,庭木についたケムシ類に使用できますが,

収穫前日数などの記載がなく,果実を食用とする果樹には使用できません

ベニカベジフルスプレー」があれば,柿,梅,桃,カンキツ類,ウドウ,キウイ,リンゴ,ブルーベリー

などの果樹に適用があり,ケムシ類のほか,アブラムシ類,カメムシ類,コガネムシ類,ミカンハモグリガなど

にも使用できます。

ただし,このベニカベジフルスプレーは,リンゴとブルーベリー以外の作物には,

ケムシ類の記載がないというのが難点ですが,効果がないというわけではないでしょう。

 

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上のベニカJスプレーは,毛虫の他には,花卉類に対してアブラムシ類,ハダニ,ハモグリバエ,

コナジラミ類などに適用があります。

 

 

果樹に使用できる農薬

ケムシ類の駆除に,庭木の柿,カンキツ類などの果樹の場合,意外と少ないですが,

以下のBT剤と呼ばれる農薬が使用できます。

BT剤は,有機農作物の栽培に使用できますが,ケムシの発生初期での散布が推奨されます。

 

リンゴ,ナシ,オリーブなど,果樹全般についたケムシ類には,デルフィン顆粒水和剤(×1000希釈)が

使用できます。

この他,果樹ではハマキムシ,イラガ,シャクトリムシ,アゲハの記載があります。

 

 

 デルフィン顆粒水和剤
 (有機農作物の栽培にBT剤を)
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柿の葉を食害するイラガには,バシレックス水和剤も使用できます。

本剤は,イラガのほかに,カキノヘタムシガやハマキムシにも適用があります。

BT剤に関する詳細は,次のページをご参照ください。

様々な野菜や果樹などの有機栽培に使用できるチョウや蛾の幼虫の殺虫剤BT剤とは

 

2019/09/19

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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