柑橘類の不知火を“デコポン”という商標を使って売ってしまう危険性
不知火(シラヌヒ)は, “デコポン” という名前で知られているものと同じ品種です。
その苗木は,ホームセンターなどで “不知火” として売られているものです。
この不知火を,個人で栽培してデコポンとして売ってしまったらどうなるでしょうか。
今回,このことについて触れてみたいと思います。
柑橘類の “不知火” は,なぜか聞き慣れない名称
柑橘類の不知火(英名:Siranuhi:シラヌヒ)は清見(キヨミ)とポンカンの交配によってできた品種で,
学名がCitrus reticulata ’Shiranui’となっており,学術上の品種名としてはシラヌイという扱いになっています。
国内市場では,デコポンとして和歌山県以西の比較的温暖な地域で栽培されたものが流通していますので,
不知火として販売されているものを見ることはあまりないですね。
生産者個人では,デコポンの名称を使って販売されている方も中にはいらっしゃるかもしれません。
この場合,法令違反にあたりますので,気をつけたほうが良いです。
不知火という名称を使って販売することは違法ではありません。
デコポンとは?
デコポンが品種名ではないことは上述しましたが,
デコポンという名称は,熊本県果実農業協同組合連合会が所有する登録商標で,
不知火に限らず,これに近いものも含めて,糖度が13度以上,酸度1度以下のものという
厳しい基準が設けられているそうです。
柑橘類だけでなく果物は,商標名で売られていることはほとんどないですね。
これが不知火=デコポンという勘違いを生んでしまっている原因のようです。
個人栽培でも,柑橘関係の農協連合会を通して出荷することができるそうですが,
個人販売においては,いくら品質がよく基準を満たしていてもデコポンの名称は名乗れません。
というのも,デコポンという名前は登録商標ですので,許可なく営利目的で使用すると,
ブランド品の偽物を販売する行為と同じことですので商標権を侵害することになり,
商標法によって処罰されることがあります。
写真は,天草特産のデコポンですが,確かに甘くておいしいです。
不知火は,アメリカのカリフォルニア州ではSumo Mandarin(スモウ・マンダリン)として栽培されている
そうです。相撲に語源があるようで,アメリカらしい名前ですね。
2018/04/25
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