ネギ科野菜のタマネギやネギが,トウ立ちするといけない理由とは

ネギ科野菜は,春を迎えて暖かくなってくると,トウが立ちはじめ,放っておくと花が咲きます。

その中でも,とくにタマネギは,トウ立ちするといけないとよく言われます。

なぜトウ立ちするとだめなのか,実際の写真を交えて,その理由について解説したいと思います。

 

写真_野菜
タマネギのトウ立ち(5/14)

 

 

 

 

タマネギのトウ(薹)

 

タマネギの玉(根元の球形になった部分)は,鱗茎(りんけい)ともいわれますが,

この鱗茎,つまり商品としてのタマネギは,根を生じる地下茎と,その地下茎から何層にも密生して球形をなす

鱗片葉とが合体したものです。

トウ(薹)は,タマネギのどこから生じるのかというと,

地下茎の上端部のシュート頂から,鱗茎と葉鞘(ようしょう:鞘=サヤ,偽茎のこと)の中心部を

貫くように伸びて花を咲かせる花茎(かけい)のことです。

トウが立つとは,一般的に,野菜の花を咲かせる茎が伸びて,葉や茎の組織がかたくなり,

食べごろを過ぎてしまうことをいいます。

タマネギの場合,鱗片葉はあまり堅くなりませんが,花茎は内部がスポンジ状の細胞組織で満たされています。

トウ立ちしたタマネギを切ってみると,下の写真のように花茎が観察できます。

 

写真_タマネギ
トウの立ったタマネギの断面(6/8)

 

 

このトウの部分は,腐りやすいため,長期間保存すると必ずといってよいほど,下の写真のように

褐色に痛んだ状態になっています。

天日でよく乾燥させていてもこうなります。

 

写真_タマネギ
収穫から約1ヶ月でトウの部分が傷んだタマネギ(7/6)

 

写真_タマネギ
収穫から約2か月でトウの部分が黒く腐敗したタマネギ(7/27)

 

トウ立ちすると,鱗茎部に蓄えられている栄養がその分,消費されますので,甘みは減少すると思いますが,

食べるのには全く問題ありません。

しかし,調理の際に,腐ったトウをきれいに取り除く手間と,包丁で細かく刻む際に,

つぶれるため切りにくくなる,といった問題点が挙げられます。

こういったものは,商品として販売できるものではなくなります。

トウが立つといけないのはそのためです。

 

 

ネギのトウ

 

ネギの場合は,トウが立つと使い物にならなくなって,いづれ枯死しますが,

抜き取らずに,新しい葉を出させるためにトウを取り除く作業をします。

 

オオネギのトウ(いわゆる,葱坊主)(4/16)

 

 

ニンニクのトウ

 

逆に,ニンニクの場合は,トウが立っても折り取っておけば,鱗茎部に栄養が蓄えられるので,

肥大が促進され,良いニンニクができます。

トウを取り除く作業が必要なのはそのためです。

 

写真_ニンニク
ニンニクのトウ(5/3)

 

以上のように,トウが立つといけない野菜と,トウが立っても問題ない野菜があります。

トウが立ちはじめると,あっという間に茎が伸びて堅くなってガシガシになってしまう野菜もあり,

ついやってしまいがちですが,気をつけたいものです。

タマネギは追肥で化学肥料を与えすぎるとトウが立ちやすくなるとともに貯蔵性が悪くなりますので,

なるべく使わず,油かすを多めに施すほうがまだ良いです。

というのも,

外部サイトですが,訪れると信じられないような実態が見えてきます(こちらのリンクから)。

テレビなどでなく「これからはネットの時代です」と誰もが知るあの方が忠告していたほどです。

SNSですが,まだの方はぜひ体験されてみてください。

キーワード検索窓に気になる複数の単語を1字ほどスペースをあけて入力し,検索をかけみられてください。

自然を守りたいという方は,これからは農薬や化学肥料,除草剤は決して使わないようにされて下さい。

 

2019/07/29

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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