キクラゲの植菌・・・伐木した原木の有効利用
キクラゲの原木には,ほとんどの樹種が使えるそうなので,
大きくなりすぎて止むを得ず伐木したクロガネモチなどを使うことにしました。
本邦で栽培されているキクラゲの種類はキクラゲ,アラゲキクラゲ,シロキクラゲ
の3種類あるそうで,今回は種駒を入手しやすいアラゲキクラゲを使います。
木の伐採と玉切り作業
クロガネモチが,キクラゲの原木に使用可能なのかは,結果次第でよくわかりません。
原木には樹皮の厚いブナやコナラ,ハンノキ属などが好ましいのですが,伐木対象の樹木にはなく,
植樹が必要ですので,このたびは断念しました。
過乾燥すると樹皮が剥がれやすいタイプ,とりわけ樹皮の薄い樹種や,害菌のつきやすい木(柿など)は
多用の方には向いていないように思われます。
伐木しても葉がなかなか枯れにくい樹種に,種駒を植付ける場合,
伐木してから1ヶ月以上放置して乾燥させる必要があります。
今回,1月中に伐採した木の幹を1ヶ月以上乾燥させて,
RYOBIのチェーンソー(切断長さ350㎜)(スポンサードリンク)を使って,
長さ1m前後に玉切りしました。
種駒の穴開けとアラゲキクラゲの植菌
いよいよキクラゲ菌の植付けです。
種駒を打ち込む穴をあけないといけないのですが,
電気が使えないので,シイタケハンマー(スポンサードリンク)を使いました。
シイタケハンマーでは,木口(木の切り口)には,突き刺しても芯が切れずに穴を開けられないので,
電動ドリル(スポンサードリンク)に,シイタケビット(スポンサードリンク)を取り付けて,
穴を開けるほかに方法がありません。
充電式の電動ドリルは,試したことがありますが,パワーが足りずあきらめました。
シイタケハンマーを振り下げると,切りクズが穴から出てきます。
切りクズは,最大の長さで種駒より5㎜くらい長めです。
これは,木が乾燥しきっていない時に植菌する場合の長さです。
というのも,敢えて菌糸が発菌するための空間を空けておくためのようです。
自然環境において生木の樹皮に菌類の胞子が付いても,樹液に菌糸が成長できない成分が含まれているため
菌糸が中に入っていけません。
ですので,生きている木には,たまにサルノコシカケなど朽ちた部分についているのを見かけますが,
キノコがみられないことが多いです。
木が乾燥している場合,菌がすぐに原木に活着できるように,
種駒と同じ長さで穴をあける必要があるようです。
この場合は散水あるいは水に浸けてから仮伏せすると良いようです。
穴をあける間隔
今回,シイタケと同様に縦15~20㎝,横4㎝くらいの間隔で接種しました。
菌まわりが早いということなので,正確にではなく目見当で良いと思います。
木の材質がかなり堅いと,シイタケハンマーを振り下げて打ち込んでも1回では無理でしたので,
別のハンマーで上からたたいて打ち込みます。
このような用法以外の使い方をしていると,
シイタケハンマーの柄が,ゆるんですぐに取れてしまうことがよくあります。
あらかじめエポキシ系樹脂接着剤(スポンサードリンク)で接着しておくと取れにくいです。
今使っているシイタケハンマーの使用感は,柄が取れなければ使いやすいです。
穴をあけたら,その箇所に,種駒を打ち込んでいきます。
後からまとめて打つと,打ち残しが見つかることがよくあります。
クロガネモチの木は材質が柔らかいので,
慣れるとシイタケハンマーを振り下げただけで,規定の深さまで突き刺さります。
ホダ木の仮伏せ作業
アラゲキクラゲは,森産業の品種では菌糸の伸張が早く,
種駒からの菌糸の発菌,活着が容易なので,
仮伏せ期間は,植菌直後から最短1ヶ月程度で良いそうです。
例えば,最も遅い4月末日に仮伏せを開始した場合は,5月末日まで仮伏せをする必要があるということです。
説明書には,本伏せの開始時期は4月下旬頃から6月の頭くらいまでとあります。
仮伏せは,乾燥を防ぎ,保温して菌の活着を促すために,あまり蒸し暑くならない半日陰で,
ブルーシートをかけています。
あまり乾燥しすぎると,菌が活着できなくなり、木が放射状に割れて寿命が短くなるため,
こまめに散水することが必要です。
あまり暑くなるまで仮伏せし,乾燥が顕著になると,ほかの害菌がついて失敗するということもあります。
アラゲキクラゲの種駒は,100個入りと400個入り(スポンサードリンク)しか見当たらないため,
800個入りはあきらめてアラゲキクラゲの種駒400個入りを2箱買ったのですが,
上の写真のとおり30本くらいに植付けました。
当然,原木の太さによって植菌できる本数は変わってきますが,種駒800個で20~30本くらいです。
今回は試験的に色々な密度で植菌してみました。
うまくいけば,今年の夏から秋にかけて発生する場合もあるようです。
キクラゲが発生したら,また続きを書きたいと思います。
2018/02/18
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