イノシシによる想定外の温州ミカンの食害と枝の損傷

イノシシは豚の原種として知られ,ヒトの営みとは切り離せない関係にあります。

ミカン畑では,温州ミカンが熟れて糖度が高くなる頃になると,

隔年,イノシシによって果実がむさぼられるといった被害が出てきます。

今年は既に,極早生(ごくわせ)ミカンが食害され枝が折られるといった被害が出はじめました。

すでに紹介した,今年7月の白桃の果実の食害と主幹と枝の被害につづく損害です。

今回は,そのイノシシの行動パターンについて紹介したいと思います。

 

イノシシの行動パターン

 

イノシシは,いつもミカン畑のまわりをエサを探しながら巡回してまわっているようです。

けもの道もクッキリと残っているくらいですので,いつも同じルートを通るのでしょう。

時々姿を見かけることもあり,茂みからこっちをじーっと見ていることもあります。

 

ミカン畑で作業をしていると,いつも日暮れ時になると,

まわりで,バキバキ・・・という枯れ枝や倒れて朽ちた竹を折るような音が聞こえてきます。

ヒトが帰るのを,まだか!まだか!と辺りから伺っているようです。

というのも,ミカン山からの帰り道でのこと,

ミシミシ・・・という音が聞こえることが良くあります。

帰るのを確認するために,イノシシが出入り口付近の茂みで待機していて,

ヒトの足音に警戒してミシミシという音をたてるのでしょう。

帰ってからは,イノシシにとってはもうやりたい放題の時間です。

 

作物が収穫できる頃になると,ミカン山の柵を破壊して園地に入ってくるようになります。

イノシシは,嗅覚が犬並みに発達していて,記憶力が非常に良いですので,

9月に入ると早生の栗の実が落ち始めると,その時がイノシシとの格闘の始まりになります。

柵の補修をしても,力任せに破壊して入ってきています。

 

 

温州ミカンの木の被害

 

雨が降りすぎても,用のない病原菌がついて病気に罹りやすいのですが,

今年の夏は,日照りが続いて水不足。

温州ミカンの木もかなりのストレスを受けています。

今年は干ばつのストレスで,早生ミカンの木が樹脂病にかかりました。

樹脂病については ⇒ こちらのページ

 

水を制限すると,フルーツの甘みが増すことはよく知られていることです。

9月に入ったばかりで,まだ上旬なのですが,

極早生ミカンは,例年(9月下旬くらい)よりも,かなり早めに果実の甘みが増したようです。

果皮が,まだあおくても十分食べられるほどの糖度です。

極早生ミカンは,さわやかな酸味と甘みの品種で,

果皮が少し色づきはじめた頃に市場に出回っているミカンです。

温州ミカンの種類と特徴などに関する詳細は ⇒ こちらのページ

 

この時期,山では野生の栗やどんぐりなどは,まだ落ちてきていません。

早生の栗の実も,今年は干ばつの影響で生理落果が多く不作の上,

イノシシと競争で採り合いの状況になります。

ですので,イノシシも食べ物が不足していたところに,ちょうど極早生の甘いミカンがあったため,

ありつけたのでしょう。

これまで起きていなかったことですので,ほんとうに想定外でした。

 

ミカンの木も泥だらけです。

というのも,

イノシシは,ご存知のように,体についたノミやダニなどの寄生虫を落とすため,

ニタ と呼ばれる水がたまるような場所に寝転んで,泥を体にまとわりつかせたまま,

夜中に歩き回っているようです。

木の根元のほうや柵にも体をこすりつけて泥がべったりとついていることがよくあります。

 

イノシシ被害
カンキツ類のシラヌヒの木の幹にイノシシが体をこすりつけて泥を塗ったところ

 

ミカンの木も,地面から1mくらいの高さまでの枝や実に泥がこびりつき,

ミカンの果実が,むしり取られています。

 

イノシシによる食害
イノシシによって泥だらけにされた温州ミカンの枝葉と果実。

 

地面にはミカンの皮が散らばっていました。

 

イノシシ被害
イノシシによって温州ミカンの実が食害され,その果皮が散らばっている

 

泥には,土壌に棲息する病原菌がついている可能性があるため,一大事です。

 

こうした被害を受けないためにも,

来年からは,ミカンの木の下部1mほどの高さまでの実をすべて摘果して対処する予定です。

 

 

 

イノシシの気性の粗い性格の現れ

 

柵の補修をしたり,威嚇したりなど,イノシシを刺激するようなことをすると,

作物を植えている畑をグチャグチャに掘り返したり,見せしめのような行動をとるのが恒例です。

ずっとイノシシと付き合っていると,空耳なのかもしれないですが,

イノシシの仲間・親子どうしのやりとりや不平の念さえも感じ取れるようになります。

他の動物ではこのようなことはありません。

 

 

冬以降のイノシシによる被害

 

12月から2月の冬の間は,どこにいったかわからないほど静かになり,平穏な時間が過ぎます。

春になると,地中でモウソウチク(孟宗竹)の筍(タケノコ)が太って大きくなってきますので,

イノシシは,いち早く筍を掘り返して食料にしているようで,穴だらけになります。

イノシシに先を越されて,まったく筍を収穫できないという年もありました。

 

それと,地中にいる甲虫の幼虫ミミズが好物のようで,掘り返し方がただ事ではなく,

あたり一面,土地がむき出しになって,斜面が崩壊しそうなほど掘り返しますので話になりません。

 

晩春~初夏になると,モウソウチクより細めのホンダケハチクの筍の最盛期ですので,

今度はこれを掘り返すようになります。

今年は寒さのせいか,ホンダケやハチクは不作でした。

ハチクは,とりわけ美味とされる筍で,確かにおいしいです。

 

また,梅雨が終わると猛暑・日照りがつづき長期間雨が降らず,不作のためか,

真夏にもかかわらず,まだ小さくしか成長していない筍を目当てに,

竹の根元を深さ30㎝くらい掘り返したりと,かなり手荒なことをしているのが見られました。

 

イノシシとの格闘はこれから長く続きそうです。

 

 

 

 

関連ページ

シカ(鹿)によるカンキツ類の葉の食害および枝や幹の損傷

イノシシによる桃の果実の食害と伴なわれる樹幹の被害

2018/09/12

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

//s3.tracemyip.org/tracker/lgUrl.php?stlVar2=1204&rgtype=4684NR-IPIB&pidnVar2=46624&prtVar2=5&scvVar2=12