モウソウチク(孟宗竹)のタケノコと,その地下の様子・・・竹の子の効率の良い収穫方法を考える

3月も下旬になり,大ぶりの孟宗竹(モウソウチク)のタケノコが地面を割って出はじめました。

春になると,竹の中で一番最初に地上に出てくるのが,最も太いモウソウチクのタケノコです。

モウソウの旬が過ぎると,5月頃から6月にかけて,別の種類の細いタケノコが順次出てきます。

今回は,モウソウチクの形態と,地下の様子,そのタケノコの上手な掘り方などについて解説します。

 

 

写真
みかん山に出るモウソウ竹のタケノコと,ナギナタガヤの芽(3/31)

 

 

 

 

 

モウソウチク(孟宗竹)とその形態

 

モウソウチクの学名は,Phyllostachys heterocycla f. pubescens(ファイラスタキーズ・ヘテロサイクラ)。

この竹はもともと中国から持ち込まれたものだといわれています。

モウソウチクは,通常はタケノコによる栄養繁殖によって増えるイネ科のマダケの仲間ですが,

67年に一度,花を咲かせるそうです。

 

谷や沢の出口など崩れやすく浸食の進みやすい危険な場所に,昔から移植されてきて竹林化していますが,

近年では,高齢化や核家族化などが進む中,竹林の管理が放棄され,竹が周囲の雑木林を飲み込んで,

広葉樹を枯死させ荒廃がどんどん進んでいるところをよく見ます。

次の写真ですが,これでも良い方で,ひどいと真っ暗で立ち入ることも困難になります。

 

写真_竹林
手入れが行き届かずに荒廃してしまった竹林(4/24)

 

それに比べ,よく管理されたモウソウ竹林は,和風の美しい景観を醸し出しています。

 

 

竹の地下の様子

 

図鑑などを見ても,竹の地下の様子など詳しく記載してあるものはないと思います。

竹の地下茎は,果樹苗の植え穴を掘った際に,地面から最大65㎝の深さのところまで,

生きた地下茎を確認したことがありますが,大抵は深さ30㎝より浅いところにあります。

根が深いのは,斜面下の崖錘堆積物や崩積土などがたまりやすい場所や,土砂崩れが原因の場合が多いです。

 

タケノコを掘る場合は,多くの場合,30㎝の深さまでになります。

 

写真_孟宗竹の根
植え穴を掘ったときに現れたモウソウチクの根と地下茎の断面(3/2撮影)

 

上の写真は,植え穴1mを掘った時に出現した竹の地下の断面で,

およそ30㎝深さのところまで地下茎があって,根は深さ60㎝近くまで侵入しているのがわかると思います。

 

では,地下茎はどのようになっているでしょうか。

次の写真は,土を掘り上げた際に出てきたモウソウチクの地下茎根茎とも呼びます)です。

 

写真_竹
モウソウチクの地下茎と,新しく生じた側芽(写真の右が先端側)

 

ほとんどの地下茎は,写真のような姿勢か,時に,これから90°程度までひねった姿勢で土の中にあって,

その断面は,横に広い楕円形です。

通常,竹といえば竹の地上茎を指しますが,その節の間が中空になっていて,

イネ科に属するそういった形態を示す茎を,(かん)と呼びます。

竹の地上茎の(せつ)ごとに,枝葉を互生するのと同様に,

土中にある地下茎においても,上の写真のように節ごとに側芽(そくが)が互い違いに生じています。

 

次の写真のように,節の上側から地下茎の枝が分枝し,

また,ひげ根とよばれる節根(せつこん)がたくさん生じています。

ページ最後の項に写真がありますが,タケノコは,生じたばかりの新しい側芽が成長し大きくなる

ことによってできます。

 

写真_竹
掘り上げたモウソウチクの地下茎(写真下が太いほうの地下茎の基部側)

 

タケノコの時期が過ぎて,側芽がそのまま土中で伸長したものは,地下茎となります。

このような地下茎が,竹林の地下では,年々すごい勢いで伸びたり分枝したりして,

縦横無尽に何重にも張りめぐらされています。

竹の地下茎があると,スコップでは切断しにくい上,根を張っているので土を掘り起こしにくい

といったこともありますので,スコップなどを使ってタケノコを掘るのは難しい場合があります。

タケノコを掘るなど手入れをされた竹林は良いのですが,放棄履歴が長い竹林ほどひどい状況になっています。

ガチガチでなかなか掘れません。

 

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竹の子の収穫に使う道具

 

タケノコを掘るために唐鍬(とうぐわ)と呼ばれる農具を昔から使っています。

モウソウチクの直径3㎝はある太い根を切ることができ,竹林の手入れ・開墾には必須用具です。

 

写真_唐鍬
農協で新しく購入した唐ぐわ

 

 

ですので,唐グワの刃の長さは20~30㎝が適しています。

タケノコの根元を切って,てこの原理を使って,タケノコを引き抜くのですが,

まわりの地下茎を取り除く際に,あまり力を入れすぎると,柄が折れてしまうことがありますので,

力の加減をするなどの注意が必要です。

慣れるまでは,力任せにして2回ほど柄を折りましたが,もう長年折っていません。

柄は,できるだけ丈夫で堅いカシ(樫)の木を使ったものが良いですね。

 

 

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タケノコの上手な掘り方

 

タケノコを掘る時は,どうしても気が焦ってタケノコの根元を大きく切り損ねたり,

グチャグチャになって割れたりする場合がよくあります。

現在でも,時間が限られている時などにやってしまいます。

上手に掘ろうとすると,タケノコの周囲をぐるりときれいに深く掘って,

ひどく疲れてしまうといったこともありがちです。

 

しかし,以下のことを知っているか否かで,少しは変わってくると思います。

タケノコは,地下茎が伸びる末端の方向に向かって成長し,しだいに上方に向かって伸びるようになります。

ですので,タケノコの付け根は曲がっているか,偏心(中心からかたよっている)しているので,

偏心した側を狙って唐グワで切ると良いです。

その狙いどころは,下の写真の矢印の部分になりますが,竹の子の下部が少し切れるくらいは,

あとで取り除く部分ですので全く問題ないです。

 

写真_竹
タケノコの生えている様子を下からみた図(矢印が狙い目)

 

これを実行に移すには,地下茎の基部側がどちらか,見当をつける必要があります。

基部というのは,ベース(basal part)のことで,末端の反対語になります。

その見分け方は,近年,テレビ番組で放送されたことがあり,ある意味で常識ともいえますが,

タケノコの穂先の曲がっている方角が,地下茎の基部側になります。

ただし,穂先だけの情報では,慣れていても,わからないこともよくあります。

次の写真は良い例です。

 

写真_竹の子
竹の子を掘るときは地下茎の基部側を掘る(3/28)

 

少し掘ってみると,タケノコが微妙に曲がっていたり,地下茎の末端の方向に傾いていることがあるので,

それを感覚を研ぎすまして読んで,方向がどちらか大体の見当をつけることができます。

竹林化していない林縁部に生えてきた場合は,竹林側が地下茎の基部の場合が多いですが,例外もあります。

 

基部側の見当をつけられれば,

そちら側の土だけを唐グワで深く掘って,タケノコの根元を切るというのがメジャーな掘り方ですが,

タケノコが出始めで小さければ,地面が割れたところを見つけてスコップの先端をグサッと蹴り入れて,

簡単に掘り上げることもできます。

山芋を掘るような長い特殊な農具を使って,地面に出ていない深いところのタケノコを掘るという

筍農家さんもいらっしゃいますので,タケノコ掘り=唐グワがすべてではないです。

 

 

美味しいタケノコの条件とは

 

次の写真は掘り上げたモウソウチクの竹の子です。

竹の子の根元のかなり堅い部分は取り除いています。

タケノコは,地上に出て日光に当たると皮が黒くなります。

皮が黒っぽくなると,タケノコの食べる部分も黄色くなってきて,美味しくなくなります。

また,気温が上昇して汗ばむくらいの陽気になると,モウソウチクのタケノコの時期も終わりに近く,

根元付近にシワが入り,腐りやすくなってきます。

 

できる限り,先の部分が地上に出ていない肌の白いタケノコを掘り上げると,

きれいで美味しくいただけます。

しかし,掘った後の湯がき方も重要になります。

 

 

筍の写真
みかん山で収穫した竹の子(4/7)

 

湯掻く作業は,掘り上げたその日に行います。

赤い根の部分は,歯ごたえがあって煮物にするとおいしいですので,

根の部分は薄く包丁で削り取ってから,米ぬかを加えて湯掻きます。

 

孟宗竹のタケノコの旬が過ぎると,今度は,マダケ,ハチクの時期に入りますね。

タケノコ掘りの際は,茂みにマムシが隠れていることがありますので,気をつけられて下さい。

2019/03/29

 

 

 

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